肥前ケシアド

1639年創業の当家には、代々伝わる「鶴屋文書」という

4冊の菓子の製法書があります。

江戸時代中期の宝暦5年(1755年)頃書かれたと思われる

この中の1冊に「菓子仕方控覚」というものがあり、

ここに南蛮菓子のひとつ「ケイジャーダ」の記載があります。

これは「長崎夜話草」(1720年)にも当時の長崎土産として

紹介されています。

 

元来「ケイジャーダ」はチーズを使ったタルト風の菓子で

「ケイジョ」とは、ポルトガル語で「チーズ」を意味します。

「ケイジャーダ」は現在でもシントラ地方の伝統菓子として有名です。

 

「鶴屋文書」では当時入手困難であったチーズの代用として、

当時佐賀で比較的簡単に入手出来た「ぼうぶな」(かぼちゃ)の餡を

使用したと書かれています。そしてこの「ぼうぶな」を使った

「ケイジャーダ」は「けし跡」「けし香」などの名前で佐賀藩主鍋島家

にも献上されたことが同じく「鶴屋文書」に残されています。

 

しかし残念ながらこの菓子は製法が難しいため時代とともに姿を消し、

「鶴屋文書」に製法を残すのみとなっていました。

 

この度、「鶴屋文書」に残る製法をもとに、当時入手困難だったチーズを
ねり込んで、現代風にアレンジして「けし跡」を「肥前ケシアド」として

復刻いたしました。